PLUS制作秘話
2019/04/15
販売謎、PLUSについての制作秘話です。
ネタバレについては確信的な内容は書きませんが、そもそも解いていないと意味がわからないと思いますのでクリア後に読むことをオススメします。
ということで一応隠しておきます。
この謎はもともと「十字の紙ってマス目として面白いけどあまり謎とき界隈で見たことがないな」という発想から十字の紙を使って試しているとラス謎の構造を思いついたため、そこから発展して仕上げました。ブロックパズルとしてはよく使われますが、結構並べるには使いにくかったりするのかもしれませんね。(○○の作品で十字あるよ!みたいなのがあったらすみません、とくに参考元は無いです)
コンセプト自体を十字にして、巨大な十字と小さな十字で組み合わせる形を想像してみたところ、4方から折りたたんで小さな封筒状にして初期状態にすると非常にコンパクトになることも同時に思いつき、「手のひらサイズから始まるのにどんどん広がりを見せる」という道筋と、店頭に置いて手軽に手にとってもらいやすいパッケージ要素を両立できそうなためあの形を採用しました。オンラインショップで購入された場合は逆に商品が届いたときに小さくてびっくりしたかもしれませんね。
店舗さんに普通の封筒でサンプル版を送ったりできるため、この小さいパッケージは諸々取り扱いが良いです。
最初のバージョンは謎解き仲間内の飲み会用に作りました。
その時とはラストワード含めラス謎の構造以外全て作り直していますが、テストプレイとしてどういうところに躓くかなど見れたのは大きかったです。
作者ハイイは謎と見た目のデータを一人で作成しているため、謎の都合でもデザインの都合でも構造を変えてしまっても辻褄をあわせていけることは強みになっているかもしれません。
最初のバージョンでは普通にクロスワードのように文章で言葉を導き出しており、「せまいへや」だけで「よじょうはん」を導き出させるのは好きだっただけに作り直す時に残すか悩みました。
当初、辞書を引かないとわからないような言葉なども使っていたのですが、この謎の本質は言葉探しではないため製品版には「単語はわかりやすくシンプルなもので軽い小謎で導き出す」という謎界のよくみるフォーマットに合わせています。
赤盤面のパズルで最も大変なのは単語探しでした。
普通に成立させることはもちろんなのですが、ラス謎で使うための文字は特定の場所になければならず、それらの文字が指定の場所以外にあってはならないため都合のいい単語を探すことが必要でした。
そこで頼りになったのは、「クロスワード用語検索」さんでした。
こちらは初期バージョンから何度も作り直しています。5種類くらいありますね。
ずっとアルファベットだったわけでもなく、いろいろな都合でアルファベットになりました。
「少々ルールは複雑だけど、理解すればすらすら解けるようになる」という点を念頭に作成しました。
ここで落とし穴的に苦労したのは「上下回転しても成立してしまう文字は最初から書いてある文字に適さない」という点でした。
小さなプラスの真ん中に書いてある文字で指示がどれを指すのかを判別するわけですが、「Z」とか「O」とかが真ん中にあってしまうと、どちらが上かわからなくなるのです。
裏返して赤盤面を見れば上下はわかるのですが、青側の謎を解いている最中に赤を使うことや上下関係を示すだけのマークなどを新たに設置するのもスマートではないため、回転しても別の文字にならないアルファベットのみで構成しなおしになりました。
A~Zのルートも作り直しになるため、一文字変更するだけでも結構な変更点になるのでした。
ここはあまり多くは語りづらいですが、この仕掛けありきの謎です。
誰がやっても同じ結果になるのか?別解が存在しないか?別の形で指定の状況をつくりだせてしまわないか?という点が不安要素になったので、謎解き仲間たちに何パターンか解かせてみることで思考を探っていきました。
解いた方は、おそらく指示自体の意味が一見わからず、ルールを見つけると途端に意味がわかり、「作るべき状況はわかったがどうやったら成立するのか」という悩みが発生したかと思います。
偶然ではあるのですが、つくるべき言葉に2つ同じ文字があるのが適度な混乱と逆転の発想につながったかなと思います。
読んでいただいた方、ありがとうございました。次回はPLUS2制作秘話になるかと思います。